ハッピードムドム by完全にノンフィクション 小野恭介

完全にノンフィクションというバンドのドラムスでございます。バンドのことをより楽しんでもらえればハッピーです。ドムドム。

レコ発終えて

  こんちは。完ドラの小野です。3rd minialbum『※この音源は完全にノンフィクションです。3』のレコ発GIGが無事に終了しました。大阪東京、お世話になったスタッフさん、空きっ腹に酒の皆さん、QOOLANDの皆さん、そしてご来場下さったお客さん、すべてに感謝しております。大変ありがとうございました!

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  大阪編だけですが写真を頂いたので貼ります。

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  激しい写真。頼んでいたわけではないのにガッツリ撮影してくれた友人にも感謝。  f:id:onokyosuke:20151111035455j:image
  感謝が止まらない小野。ドムドム


  ライブが終わって楽屋に戻ると僕は立っていられなくてペタリと座り込んでしまい、そしてあることを思い出した。
  何年か前、僕等が今よりずっと色んな意味で若かった頃、大阪にあるバンドがいた。僕は当時やっていたバンドで完全にノンフィクションの前身バンドのイベントに呼んでもらってその人達と共演させてもらったり、何度もライブを観にいっていた。その人達のバンドは曲数が少なくて大体同じ六曲くらいのレパートリーを毎回違う順番で30分演奏していた。MCはやらない。静と動やアップテンポでエモーショナルな曲や自然界をモチーフにしているような印象の壮大な曲もあり、かと思えば鋭利な物を突きつけられているような緊張感を持つビートの効いたロックもあった。そのライブは観ている人を固まらせた。フロアの後ろにいた他のバンドが目当てのお客さんも、しんとして、息を呑むようにステージを見つめる。そんな光景を何度も見た。
  僕はそのバンドのすべてが美しいと思っていたから当然だと思った。楽曲も音色も演奏の精度もステージ上にいるメンバーの真摯な姿も。セットリストをどう組んでも30分後のラストナンバーは鳥肌が立つほどの美しさで感動しすぎて毎回軽く放心状態になるのだから、当然だと思った。
  その人達はライブが終わると決まってみんな楽屋ないし裏口から路上へ出て地べたにへたり込んでいた。表情は至って爽やかな笑顔だったが、ぶっ倒れる、という表現でも差し支えない。僕はその姿を見ていて、相当集中力を保っていたからだろう、と推測した。自分がみじめに思うくらいそれはかっこよくて、羨ましくて、だけど、僕はバンドをやっていながら、自分には関係のないことだ、としていた。整理されていない気持ちの中ではきっと悔しかったからだと思う。それ以後いくつかのバンド、ソロ、歌ってみても楽器を変えてみても、どれだけ体力的にシビアなライブでも、緊張感を持ちながらのライブでも、終演後にその人達のようにはならなかった。なので人種が違う、見ていること、見えているものが違う人達、とした。詳しい理由は知らないけれどそのバンドは解散してしまった。
  しかし僕は何年経ってもいつも思い出してばかりいる。今思えば相当好きだったんだな。かと言ってそのような芸風のバンドをやったりやりたいと思ったりはしなかったけれど。この度僕は楽屋の地べたにペタリと座り込んで、しょっちゅう思い出していた路上へ倒れ込むその人達の姿を思い出し、ああ、こんな形で思い出せるなんて、と、こころが小さく波立った。そしてそのバンドにも例によってドムドムと感謝したのだった。




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  感謝が止まらない小野。



  原因は詳しくわかりませんが、音に集中することと演奏中に演奏に関することに考えを集中させてもいるのでそれらの作用によるものと思われます。今回大阪も東京も1時間のロングセットリストでしたが、体力的にどうこうの疲れ方とは異質の疲労感があって、立っていられなくなる何かはどうやらその中にあることがわかりました。

  それが何なのかなんて別になんでもいい。
  僕には上記の事情があるものですから、それが心地よい、というだけなのです。病みつきになるかもですね。バンドをやっていて本当に良かった。また味わいたい。


  今回は冒頭の言葉と写真で誤魔化してるけど、極めて個人的な話でしたね。こんなのでも積み重なれば完全にノンフィクションがより楽しくなるきっかけになるかもなんでちょくちょく自分の話もすることにします。気ままですがよろしくお願いします。


  ドラム  小野