ハッピードムドム by完全にノンフィクション 小野恭介

完全にノンフィクションというバンドのドラムスでございます。バンドのことをより楽しんでもらえればハッピーです。ドムドム。

解散によせて

  解散の話を聞いた時、僕にとってそれはまったく予想外の進路だったけれど、別所君はいろんな話をしてくれて、今ではすっかり僕のなかにもそれらは根付いている。不思議なもんである。
  これまでの完全にノンフィクションの歩み、あと聴いたことのない音楽を新曲として作ってきたとき、いつもこちらが予測できないようなことを思いつく別所君が中心になってやってきたバンドなのですが、それはこの度の解散という結論も含めて誰よりも彼が完全にノンフィクションのことを考えてくれていたからこその結果です。
  知ってくれている人もいるのですが我々三人は仲が良い。なぜなら高校で出会った友達だから。最近の活動ペースでなら本当はいつまでもバンドを組んでいられるくらい仲が良い。
  だけども完全にノンフィクションはここで終わりです。それは完全にノンフィクションそのものが一つの芸術作品のようなもので、作品としてここで終わるのが一番いいことだからだ。なんて誇り高いことだろう。
  芸術はいつの間にやら作者の意図を軽々超えていき、強い存在感を放つ。完ノンはメンバーそれぞれにとってかけがえのないものだったし、今後の人生にとってもただの思い出じゃなくて生きていくための何かになる。

  長い活動期間のラスト数年間、完全にノンフィクションのメンバーでいられたことを誇りに思います。
  完全にノンフィクションに触れてくださったあなたに、関わってくださったすべての方々に感謝いたします。
  そして、青春時代の続きを大人になってから再開したかのような幸せな瞬間や、バンドサウンドを深めていく上での苦悩や喜び、加入当時は忘れかけていたドラムという楽器への情熱や楽しさを思い出させてくれただけでなく今では人生でずっと続けたいと思うほど夢中にさせてくれたこと、何ものにも代え難いそれらを与えてくれた別所君と上野君、僕が入るまで完全にノンフィクションのもう一台のエンジンとして唯一無二のグルーヴを作り上げてくれた俊宏に心から感謝しています。

  皆様のおかげで音楽もバンドも素晴らしいと思えました。完全にノンフィクションは僕にとって宝物です。今まで本当にありがとうございました。